生きていることに感謝して
目次
がんサバイバーとしての私
私は小児がんを経験し、今こうして生きている「がんサバイバー」です。
厳密に言えば「がんサバイバー」という言葉に明確な定義はないかもしれませんが、私にとっては「がんを経験し、治療を乗り越え、今を生きている人」を指す言葉です。
幼い頃、まだ物心がつく前に発症した小児がん。治療の過程で抗がん剤を投与されていた記憶が断片的にありますが、それが本当の記憶なのか、それとも後から作られた記憶なのかは分かりません。
ただ一つ確かなのは、私の腹部に残る大きな手術痕です。子供の頃はこの傷が何の跡なのか分かりませんでしたが、今ではこの傷こそが「生きてきた証」だと胸を張って思えるようになりました。
晩期合併症との向き合い方
小児がんの治療は、命を救う一方で晩期合併症という長期的な課題を残します。
手術・化学療法・放射線療法の影響は、治療が終わってから数ヶ月、あるいは数年後に現れることがあります。身体的なものだけでなく、精神的、社会的なハンディとなることも少なくありません。私自身も「人とは少し違う」と感じたり、時には夢を諦めざるを得ないこともありました。
それでも今、私は「生きていること」に心から感謝しています。
十年ほど前、諏訪税務署に勤務していた頃に、子供の頃にお世話になった大学病院の主治医に再会する機会がありました。
残念ながら私のことは覚えていらっしゃいませんでしたが、先生は「よく生きていてくれた」と言葉をかけてくださいました。そして続けて、「今の時代はただ生きているだけではだめだ。QOL、つまりクオリティ・オブ・ライフを向上させていかないと」と。その言葉は今も私の心に深く残っています。
QOLを大切にする生き方
私は30歳を迎える頃から「自分らしく生きたい」と強く思うようになりました。
しかし税務署に勤務している環境の中では、その想いを叶えることは難しいと感じていました。
税務署を辞職して6年。今では税理士として独立し、自分らしい生き方を実現できていると思います。もちろん、私一人の力でここまで来られたわけではありません。多くの人に支えられ、励まされてきたおかげで、今こうして充実した日々を送ることができています。
だからこそ、私は「今を生きていること」に心から感謝しています。過去の経験や傷跡もすべて自分の一部であり、それがあるからこそ今の人生をより深く味わうことができているのだと思います。そして、何か社会のためにできないかと考えるようにもなりました。これからもQOLを意識しながら、自分らしく、支えてくれる人への感謝を忘れずに生きていきたいと思います。
【編集後記】
いやー今日のブログいい文章だなと自画自賛