あと1年でA-SaaSが使えなくなる。そのとき、事務所は?
2022年9月にフリー株式会社へ吸収合併された後も、なんだかんだで継続提供されていた「A-SaaS」。そのA-SaaSもついに、提供終了のカウントダウンが始まりました。正式な終了時期として、2026年6月30日(相続税)や2027年6月(給与計算)といった日付も示され、現場としては「ついにこの時が来たか……」と実感しています。
思い返せば、A-SaaSは意外と「ちょうどよい」存在でした。今回は、当事務所が特に重宝していた3つの機能について、freeeへの移行を含めて、これからどうすべきかを整理してみたいと思います。
目次
小規模事業者向けの給与計算と年末調整対応
A-SaaSの給与計算機能は、freee人事労務を導入するにはコスト的に見合わない小規模事業者の対応にピッタリでした。人数も限られ、特段の複雑な処理もない。でも、年末調整や賃金台帳、支払調書など、一通り出力できるのが便利だった。
この機能の提供終了は「2027年6月」と比較的余裕があるものの、今のうちから移行先を検討する必要があります。freee人事労務の簡易プランを試すのか、それとも別の給与計算ソフト(例えば「給与奉行クラウド」や「弥生給与」など)を選ぶか、今後の試行と検証が必要です。
相続税業務のソフト提供終了は痛手
元々当事務所では「相続税は受託しない」という方針でやっていましたが、この7月から「相続業務も受ける」という方向転換を行いました。ところが、その矢先にA-SaaSの相続税ソフトも2026年6月で提供終了との知らせ。
これには正直、頭を抱えています。freeeは相続税に非対応であり、選択肢としては「達人シリーズ」「JDL」「魔法陣」あたりが現実的。もしくは、相続税申告部分だけは信頼できる外注先に委託する方法もあります。価格、操作性、サポート体制を踏まえて、早期に選定・導入すべきタイミングが来ています。
修正申告書対応の汎用性がなくなる
A-SaaSでは、freee会計を使っていないスポット顧客に対しても、所得税・法人税の修正申告書を柔軟に作成できるのが強みでした。これがなくなるのは、かなり業務に影響します。
freee会計自体にも一応修正申告の機能はありますが、まだ「汎用性」や「自由度」という意味では限定的。対応としては、申告ソフト単体を他社製に切り替える、または紙ベースでの対応を一部取り入れるなど、少し手間は増える覚悟が必要かもしれません。
A-SaaSの終了は一つの時代の終わりであり、freeeの世界への完全移行の始まりです。便利だった機能は別のツールでどう代替するかを冷静に判断し、事務所にとって最も負担の少ない移行戦略を描くことが急務です。提供終了の1年〜2年後には、「あのとき早く動いてよかった」と言えるように、今こそ作戦の立て直しです。
【編集後記】
長野県の高校野球県大会の準決勝があります。野球に興味のない私ですが、今年の夏は暑い夏になりそうです。