税務調査が3日間に?最近の傾向と背景

最近、税務調査が「3日間」かかるのが一般的になってきた印象があります。

私が在職していた頃は2日間が基本でしたが、ここへきて調査日数の増加が目立ちます。もちろん件数は減るものの、1件あたりにかける時間が増えたということです。
私自身の立ち会い業務としては、報酬が少し増えるというメリットと、通常業務が滞るというデメリットがありますが、それほど大きな影響ではありません。

なぜ税務調査が「3日間」に?

調査日数が長くなる背景には、税務職員の調査能力の低下があるのではと感じています。実は、私が20代前半の頃にも一時期3日間がデフォルトの時代がありました。


そのスケジュールは、初日はじっくり概況聴取、2日目は徹底的な実地調査、3日目は講評と振り返り。午後は「お疲れ様」となる、そんな流れでした。


現在の3日間調査復活の理由は想像に難くなく、職員の育成を兼ねて、件数より深度を重視する方向にシフトしていると見ています。国税庁としても、調査品質を保つためには時間をかけるしかない、という判断なのかもしれません。

マニュアルのない世界「慣れ」がすべて

税務調査は極めて難しい仕事です。

マニュアルはあってもそれだけでは太刀打ちできません。脱税の方法は大まかには「売上除外」「経費の水増し」「棚卸操作」ですが、その手法は本当に千差万別。


つまり、調査担当者がどこに着眼できるかは、経験と勘に頼る部分が非常に大きい


ベテランが短時間で本質を見抜けるのに対し、経験の浅い職員は時間をかけないと判断材料が足りません。AIによる調査対象選定が導入され始めたのも、こうした調査能力の補完という側面があるのではないかと感じています。

時代の空気も影響か?ハラスメントと指導力の低下

もう一つ、日数が増える背景には「ハラスメント」に対する過剰な警戒もあるように思います。


昔であれば、ある程度厳しい指摘や質問も「指導」として許容されていた場面が、今ではすぐに「パワハラ」と捉えられてしまうこともあります。


その結果、若手調査官が萎縮し、深く踏み込めなくなっている。そうなると自然と調査には時間がかかる。悪循環です。


「気づける人」と「気づけない人」の差が広がる中、これからの税務調査はどうあるべきか、現場に立つ私たちも考えていく必要があるのかもしれません。

【編集後記】

相続税の相談ができる税理士が増えたのは心強いです。

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