36時間研修
目次
税理士に義務付けられている「36時間研修」とは何か
税理士には、年間36時間以上の研修受講義務があります。これは日本税理士会連合会が定めているもので、税理士登録をして業務を行う以上、避けて通れないルールです。
税法は毎年改正され、制度も複雑化しています。もし知識のアップデートを怠れば、誤った申告やアドバイスにつながり、結果としてクライアントに不利益を与えてしまいます。そのため「継続的な研修によって専門性を維持すること」が強く求められているのです。
研修の内容は、法人税・所得税・消費税といった主要税目だけでなく、相続税、国際税務、電子帳簿保存法、インボイス制度など多岐にわたります。
なお、この36時間は「努力目標」ではなく、実質的な義務です。未達の場合、税理士会から指導や是正を受けることもあり、「忙しいから受けなくていい」という話ではありません。
研修は「形だけ」なのか?実務とのリアルな関係
「研修って形だけでしょ?」と聞かれることもありますが、正直に言うとピンキリです。
正直、眠くなるような研修もありますし、「これは実務で使わないな」と感じる内容もあります。一方で、制度改正直後の研修や、実務家講師による解説は、翌日から即使えるレベルのものも少なくありません。
特に最近は、インボイス制度や電子帳簿保存法のように、実務への影響が大きいテーマが続いています。これらを自己流で理解しようとすると、どうしても解釈にズレが出がちです。
研修では、国税庁の考え方や実務上の注意点が整理されるため、「なぜそう判断するのか」が腑に落ちるケースも多いです。
つまり、研修は「受けさえすればOK」ではなく、どう活かすかで価値が決まるものだと言えます。
クライアントにとって36時間研修は何を意味するのか
この36時間研修は、実はクライアントにとっても重要な意味を持っています。
それは、「その税理士が知識を更新し続けているかどうか」の最低ラインを示しているからです。
税理士業界では、「昔はこうだった」という経験則が通用しなくなっています。
消費税、相続、電子化対応など、数年前の常識が通用しない場面は珍しくありません。そうした中で、継続研修を怠らない税理士は、リスクを事前に説明し、選択肢を提示できる可能性が高くなります。
もちろん、36時間受けているからといって万能ではありません。しかし、少なくとも「知識を放置していない」という一つの指標にはなります。
税理士選びの際、「どんな研修を受けていますか?」と聞いてみるのも、意外と有効かもしれません。
【編集後記】
寒い