車通勤、駐車場も非課税に 月5千円で政府、与党検討
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駐車場代「月5千円非課税」案は本当に物価高対策になるのか
政府・与党が検討している「車通勤者の駐車場代の一部を非課税とする案」。上限は月5,000円とされ、企業が従業員へ駐車場代を支給した場合に所得税をかけない仕組みです。マイカー通勤者からすれば、確かに税負担が減ることで可処分所得はわずかに増えます。しかし、この政策が即物価高対策となるかといえば疑問が残ります。
特に都市部では、そもそも自家用車での通勤自体が少なく、公共交通機関での通勤が一般的です。駐車場代を企業が負担するケースは限定的であり、「恩恵を受ける人」が相当限られる政策とも言えます。対象者が限られた施策を“物価高対策”と呼べるのか、という点で政策目的との整合性に課題があるように思われます。
地方事情を踏まえると…企業側の負担はそもそも多くない?
一方で地方に目を向けると、公共交通機関が必ずしも十分とは言えず、マイカー通勤が一般的です。駐車場を会社で確保しなければ採用すら難しい地域も多く、企業側が駐車場を無料提供しているケースも相当数あります。つまり、そもそも「駐車場代手当」という支給そのものが存在しない企業も多いわけです。
私のクライアントを見ても、駐車場代を従業員へ手当として支給している企業はありません。事業所の土地に駐車スペースを確保しているか、近隣駐車場を会社が一括契約しているかのどちらかで、従業員が個々に駐車場を借り、それを会社が補助するスタイルは少数派です。そのため、今回の非課税措置は「影響がある企業が極めて限られる政策」と言わざるを得ません。
マイカー通勤手当の非課税枠拡大は実務的に効果あり
一方で、同時に議論されている「マイカー通勤手当の非課税枠の拡大」は、実務的には大きなインパクトがあります。現在、通勤手当は一定の非課税限度額があり、距離に応じて定められていますが、物価高・燃料代高騰の現状を踏まえると、非課税枠の拡大は合理的な政策です。地方では通勤距離が長いケースも多く、従業員の負担感は都市部より大きいともいえます。
この非課税枠拡大により、企業が支給する通勤手当がより実態に即したものとなり、従業員の手取り増加につながります。こちらの施策は、地方企業にとっても広く恩恵があり、実務上の効果は比較的大きいはずです。
【編集後記】
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