税務調査の結果に納得がいかない

税務調査の結果に納得がいかない

税務署の調査が100%と正しいとは思っていない。何故なら私自身が税務署の職員として26年間勤務してきてそう感じているから。決して大きな数字ではないのですが、2022年度における再調査の請求で納税者側の主張が全部又は一部認められた割合は4.6%。審査請求で納税者側の主張が全部又は一部認められた割合は7.1%となっています。

さらに、訴訟において納税者側の主張が全部又は一部認められた割合は5.4%です。

興味深いことは「納税者は、国税不服審判所長の裁決を経た後、なお不服があるときは、裁判所に対して訴訟を提起して司法による救済を求めることができる」となっています。つまり、訴訟については国税不服審判所の裁決において、なお不服の案件であること、それが訴訟で覆った案件が5.4%もあるということです。

なぜ税務調査の結果に納得がいかないのか?

なぜ税務調査の結果に納得がいかないのか?

私の経験上、理由は3つ。➀正しい事実認定が行われていないこと。②法令解釈に見解の相違があること。③調査担当者(税務当局)の言動が許せないこと。

➀に関しては、調査担当者の力量不足が招くもの。税務調査の初期段階で1つ1つ取引の事実関係を丁寧に、そして正確に納税者側から聴取すれば良いだけのこと。目先の事実だけに囚われて、取引の本質を確認していないこと、そもそも否認する前提が違っていることがあります。

②に関しては、大変難しい問題です。➀の事実認定につては納税者側も税務当局側も一致している。税法に当てはめた際に双方で解釈が違うというもの。そもそも立法趣旨に立ち返り判断するのか、文面だけで判断するのか。。。

法令解釈については、大いに国税不服審判所や訴訟で判断を仰ぐべき問題だと思います。とは言え、最近では同様の事例が多く既に裁決や判例が出ているものも少なくありません。

③に関しては、んー難しい問題ですね。納税者側が勝てないのを見込んで、なお再調査を試みてくる納税者もいるので、、、実は私もこの手で酷い目にあったことがあります。

このような事例を防ぐためには。

事業を行っていれば税務調査はいつかあるものという認識で、第3者からみても取引内容が客観的に理解できるように努めること。可能であれば口頭契約は避け書面、電子の契約を締結しておくこと。また会計、税務において疑義がある取引については事前に税務当局に確認を取ること。この際には取引の内容を正確に税務当局に伝えること。さらに、いつ、どこで誰に回答を得たのか記録に残しておくこと。税務当局は書面での回答をしないので、納税者側が記録に残すことは重要です。

まとめ

万が一のことを考え、常日頃から適切な対応をすることが重要です。

【編集後記】

午後のなると事務所に秋の日差しが差し込みます。部屋もポカポカになってお昼寝したくなります。

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