勘定あって銭足らず ~会計のプロでも財布は別問題?~
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試算表では「順調」なのに…
7月も終盤。事務所の試算表を眺めてみると、前年度に比べて営業利益はしっかりと伸びており、「これはなかなか良い数字だな」と感じます。ところが、不思議なことに実感が伴わない。実際のお財布事情、つまり現預金の増加はそこまででもないのです。
月末には、事務所・会社・プライベート・投資など、自分の周辺にあるバランスシートをまとめて確認し、損益計算書では見えない部分も補足しているつもりですが、それでも「銭足らず」。投資による含み益や給与収入もあるのに増えていない。この不一致に首をかしげてしまいます。
支出の構造をもう一度見直す
たしかに、源泉所得税で売上の10.21%が天引きされているため、見かけの数字ほど手元に入っていないのは事実です。
しかし、それだけでは説明がつかない感覚もあります。プライベート面では、子どもの学費が終わって負担が軽くなっているはずなのに、お金が残っている実感がない。
freee会計で家計簿も管理してはいますが、事務所ほど正確に記帳しておらず、個人的に自由に使っているお金の流れはやや曖昧。おそらくは「無駄遣い」が多いのかもしれません。「たくさん稼いで、たくさん使って、経済を回す!」なんて、都合の良い理由をつけて消費してしまっているのが実情です。
数字を見ずとも経営できる人たち
私は日々数字と向き合う仕事をしている税理士ですが、そんな自分ですら「勘定あって銭足らず」を体感しているのです。そう考えると、毎日の数字を細かく把握せずとも会社経営を続けている中小企業の経営者の皆さんは、本当にすごいスキルを持っているのではないかと思います。
感覚でお金を回し、従業員を雇い、事業を維持する——これは数字とはまた別の、経営者としての嗅覚や胆力のなせる技なのかもしれません。会計のプロとして改めて感じるのは、「帳簿と財布は違う」この事実です。
【編集後記】
今年の夏も異常な暑さです。米どころ新潟では災害レベルの水不足で水田がひび割れている映像が流れてきました。これは、今年もコメ不足が起こるのではないかと危惧する税理士でした。