インボイス制度 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合

請求書の交付を受けることが困難

適格請求書等保存方式の下では、帳簿及び請求書等の保存が仕入税額控除の要件とされますが、請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められものがあります。

ということで、どんなものが「請求書等の交付を受けることが困難」なのか確認してみたと思います。

請求書の交付を受けることが困難なものとして9項目が挙げられています。

  1. 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
  2. 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引(①に該当するものを除きます。)
  3. 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物(古物営業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
  4. 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物(質屋を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の取得
  5. 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物(宅地建物取引業を営む者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
  6. 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源及び再生部品(購入者の棚卸資産に該当するものに限ります。)の購入
  7. 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等
  8. 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
  9. 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)

これらの取引は請求書の交付が困難であるとして「一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる」ことになります。

もっともっと請求書の交付が困難な取引がある!!

一例を挙げれば、インターネットバンキングの振込手数料等は金融機関側はインボイスの交付義務が生じ、利用者は手数料にかかるインボイスの保存が必要となります。その一方でATMを利用した際の振込手数料の場合は、上記7に該当し「一定の事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます」

インターネットバンキングの振込手数料のインボイスはどのうように交付されるの?と疑問が残ります。インターネットバンキングを利用した振込手数料だって請求書の交付が困難な場合だと思うのだけどけれど立法の経緯を確認してみたいものです。

電子取引による電磁的記録の保存になったら、もうカオス。。。

請求書を紙保存するなら対応が可能かも、、、でも令和6年から電子取引は電磁的記録による保存が義務化されます。もう自分で書いていてどうしていいか分からなくなります。

【編集後記】

インボイス制度導入まで残り1年を切りました。ちょっとやばいかも。。。

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