「何があったのか分からない」それでも忘れられない現場の記憶
目次
現場にいたからこそ感じる違和感
「税務署に勤めていた当時24歳の男性職員が自殺したのは、上司らからのパワハラが原因だとして公務災害の認定を求めている問題で、遺族が思いを語りました。」
とあるニュース記事です。
今回の報道を見て、正直他人事とは思えませんでした。
私自身、26年間税務署に勤務してきました。
国税局でお世話になった先輩が、異動後数年で自ら命を絶ったことがあります。
何があったのか知るすべはありませんでしたが、とても切ない気持ちになりました。
税務の職場を離れて7年が過ぎ、今は状況が変わっているかもしれません。
ただ、少なくとも当時はパワハラは確かに存在していました。
組織特有の閉鎖性や上下関係の強さ、新人や若手が声を上げにくい空気。
こうした構造は、外から見えにくいものです。だからこそ、今回の件に強い違和感を覚えました。
日常の中にある「小さな圧力」
私自身も、理由も分からず書類を投げつけられ、叱責された経験があります。
今振り返れば「何を言っているんだこの人は」と受け流せましたが、当時の環境や人によっては、そう簡単に割り切れるものではありません。
気の弱い職員や、真面目で責任感の強い人ほど、言葉や態度を真正面から受け止めてしまう。
そして、その積み重ねが心を静かに追い込んでいくこともあると思います。
パワハラは、分かりやすい暴言や暴力だけではありません。
逃げ場のない関係性の中で繰り返される“日常の圧力”こそが、最も見えにくく、そして深刻です。
税理士として、そして経験者として伝えたいこと
今回の記事の中で、「将来は税理士として悠々自適に」という言葉がありました。
同じ道を歩んできた者として、非常に胸が締め付けられます。
税務の仕事は、本来人の役に立つ誇りある仕事です。
だからこそ、その入り口で苦しみ、命を落とすようなことがあってはいけない。
私は今、税理士として独立し、働き方を選べる立場にいます。
だからこそ、過去の経験を踏まえて伝えたい。
無理をすることが美徳ではないこと。
理不尽に耐え続ける必要はないこと。
そして、もし今苦しい状況にいるなら、「その場から離れる」という選択もあるということ。
逃げるという選択をしてほしい
【編集後記】
謎の発熱で3連休を寝込みました。もったいない。