税法が難しいと思う3つの理由。
何故に、こうも税法は難しいのか?そして、こうも複雑なのか?更に毎年改正があるのか?
納税者自らが計算して申告をするという制度を採用しながら、我々専門家である税理士でさえインプットが追い付かない現状。
今回は、税法が難しくする3つの理由を考えてみました。
目次
1 専門用語が多すぎる
会計用語、税務用語など一般の方に馴染みのない単語が多く使われます。
基本的に税法の2条「定義」という項目があり、言葉の意味を説明しています。
が、やっぱり読んでも分からない言葉ばかりです。
例えば、「十二の六の四 株式交換等完全親法人 株式交換完全親法人並びに株式交換等(株式交換を除く。)に係る第12号の16イ及びロに規定する最大株主等である法人並びに同号ハの一の株主等である法人をいう。」と書かれていますが、さっぱり分かりません。
2 条文にカッコ書きが多すぎる
税法を単純に読もうとうるとカッコ書きがとても邪魔です。
とあるサイトの法令集には「括弧を隠す」「括弧を色分けする」というポッチがあります。
まず、括弧を隠して本文を読み理解します。それから、括弧内を読みます。
「○○を含む」、「○○を除く」など例外のうようなものが書かれています。
条文の本文を理解して括弧書きを読むと、それ除くんかい!とかそれ含むんかい!という場面に遭遇します。これが難しくする理由の1つです。
さらに難解にさせるのは括弧の中に括弧、2重括弧、3重括弧があることがあります。
○○は含むけど、そのうち△△は除くみたいないやつ、もうカオスです。
某財務省の主税局にいた人は「2重括弧、3重括弧が美しい」と言っていましたが、私にはその気持ちが分かりません。
若かりし頃は、法律集の条文に本文は赤、はじめの括弧は緑、次の括弧は青といった感じに色分けして読んでいて、とてもカラフルな法律集になっていました。
3 日本語が難しい
「又は、及び、並びに、もしくは」
「その他、その他の」
条文で頻繁に見かける上のような言葉。
同じようで実は意味が違うのです。
詳しくはネット検索してくださいね。
この意味を間違えると、条文の解釈を間違えてしまうことがあります。
まとめ
税務関係の仕事をして20数年、未だに税法が難しくて困っています。
余りの難しさに税理士という職業が成り立つのだと思っているのですが、それでも、もっと簡潔な税法にしないと税法の適用誤りが発生してしまうのではないかと不安になります。
税理士やってる以上、ずっとインプットしなければ・・・。
【編集後記】
某法人会の「社長のための税務調査対策セミナー」の講師に行ってきます。
こんなご時世なのでYouTubeでライブ配信もあるようです。