税務調査のラストスパート
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税務調査のラストスパート
税務署の定期異動は7月10日、そこまでに着手済みの調査案件は終わりにしたい。なぜなら調査担当者が転勤してしまう可能性があるからです。
「調査案件を終わりにする」これの意味するところは、6月末までに修正申告書が提出され、かつ加算税等の通知が6月中に発送されることをいいます。したがって、税務署内部の処理期間を考えると5月末までには具体的な金額が決まっている必要があります。
つまり、GWが終わった今が税務調査のラストスパートなのです!!
この時期あるのは法人税の調査。
この時期残っている調査案件の多くは「法人税」の調査案件です。所得税や相続税案件が全くないということは無いのですが、これらの調査案件のほとんどが確定申告期前に終了しています。
前述したとおり、できれば6月中に終わりにした税務調査(税務署側からの視点)ですが、100%6月中に終わるわけではありません。やむを得ず翌事務年度へ繰り越す事案も発生します。これは調査案件が複雑であったり多額の脱税が見込まれるなど引き続き深度ある調査が必要な場合です。
6月末があるからと安易に税務調査を終了させてしまうことにより「適正公平な課税が損なわれる」ケースです。
駆け引きが面白い
できれば6月中に終わらせたい「税務調査」(税務署側からの視点) 、そんな事は関係ない1円でも税金は少ない方が良いと思う納税者。
税務調査を1度でも経験したことがある人なら分かっていただけると思うのですが、ここからは税務署と納税者側の駆け引きがあります。ホントは適正公平課税実現のためには0か100、課税か課税されないかしかないのですが、税務調査の場面では税法的には間違っているんだけれど「今回は指導事項」ということで敢えて課税しないことがあります。
「こちらの事項については指導事項にしておくので、、、残りの部分は修正申告してください」といった感じです。早く終わらせたい税務署側と1円でも税金を少なくしたいという双方の利害が一致する「着地点」(私が調査担当者の頃は着地点と言っていました)があるのです。
詳しく書くと怒られるので書けませんが、この着地点をどこにするのか?これは私のような国税OB税理士であれば内部の事情が分かるので何となくこのあたりかな?と想像できますが、国税OB税理士でない方は難しいかもしれません。
税理士になって何件か税務調査の対応をさせていただきましたが、税務署、納税者双方の思いが分かるので複雑な気持ちです。
まとめ
今、税務調査されている方、事実関係をしっかり整理して税理士とよく相談しながら税務調査を進めてください。安易に物事を進めると後悔することもあります。
でも、やっぱりちゃんと申告することが1番の節税だと思います。