税務職員は「更正」が嫌い
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税務署員は「更正」が嫌い
税務署長は、納税申告書の提出があつた場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する。
つまり、税務調査の場面で税務署の指摘事項に納税者が納得しなくても、税務署長の権限で「更正」納税額等を決定することができるというものです。
税務調査で税務職員の指摘事項に納得いかなくても、修正申告書を提出することがほとんどです。なぜなら何を言っても勝てないからと思うからです。ですが、修正申告書を提出するということは内心では納得していなくても、表面的には納得して修正申告書を提出していることになります。
なぜ税務職員は「更正」が嫌いなのか?
税務署が行う「更正」は、必ず「更正通知書」を納税者に交付(郵送)します。
多くの納税者、税理士でも「更正通知書」を実際に見たことがある人は少ないのではないでしょうか?
税務職員でも「更正通知書」を作成せず退職する人も多いと思います。それくらい更正通知書を作成するには労力がいるのです。
「更正通知書」には①納税者の処理②正しい処理③根拠条文などを記載する必要があります。「貴社は○○と処理しているが、当該処理は法人税法△△条△項の規定に該当しないため、▢▢円を所得金額に加算する。」この文書を作成するのに労力を必要とするのです。
また、内部的には①②に関連する証拠書類を用意する必要があります。これは異議申し立てが行われた場合に税務当局が負けないために必ず用意するものです、これがないと更正できません。
だから「税務職員は更正が嫌い」なんです。
この事を良く知っている税理士は「では、更正してください」という発言をします、そして多くの税務職員はなんとか納税者側を説得して修正申告書を提出するよう仕向けます。
ちなみに私は国税局調査審理課に籍を置いていたことがあり、ここは日々更正通知書を作成するといっても過言ではない部署でしたので、税務調査の場面で税理士に「更正してください」と言われても、「はい、更正します」と答えていました。更正通知書も慣れてしまえば、、、といった感じです。
まとめ
当然と言えば当然なのですが、納得いかないことは最後まで抵抗して良いと思います。よく言う見解の相違だとしてもです。税務署側の主張が100%正しいわけではありません。
納得がいかないことはきちんと説明してもらいましょう、ただネックなのは税務調査の期間が長くなるという問題が残ってしまいますが。
【編集後記】
縁あって本日、生命保険の一般課程試験を受験してきました。スコアレポートで93点でしたので合格ですね、一夜漬けでも合格できました。良かった良かった。