原価計算は難しい?
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税務署時代はあまり検討することがない原価計算
税務署の行う税務調査の過程で原価計算の適否を検討することはほとんどありません。期末の仕掛品だとか棚卸だとかの確認で検討することはありますが、それも稀です。
国税局調査課所管の法人税調査においては何度か原価計算方法について検討した記憶はあります。これは、元々の企業規模が大きいため原価計算の些細な誤りでも所得金額に影響がでるからです。
法人税基本通達でも原価差額の調整あたりは細かく規定されていますが、実際に中小企業でこれらを適用する場面があるか?というと滅多にないですね。
原価計算に夢中
私、今、とあるクライアントの原価計算の方法を検討していて「原価計算に夢中」といった状況です。
誤解を恐れずに書くと、それぞれの業種業態によって違うので「これが」という正解がないと思っています。可能な限り精緻な原価計算を行うことが理想だと思うのですが、企業の体制がそこまで整っていないなどの理由からできないこともあります。
例えば基本通達の5-1-5にあるとおり
法人の事業の規模が小規模である等のため製造間接費を製品、半製品又は仕掛品に配賦することが困難である場合には、その製造間接費を半製品及び仕掛品の製造原価に配賦しないで製品の製造原価だけに配賦することができる。
税務上は緩い取扱いも認められてはいるのですが、本当のそれでいいのか?
こればかりは企業側で原価計算をどの位の価値で見ているかという事になると思います。正しい原価計算をすることで、初めて適正な売価が設定できると考えていて、そこを起点に製造原価を如何に減少させてより利益を追求するかという話になってくるんだと思います。
そこをクライアントにどのように伝えるのか?
理想論を伝えても実際に行うのはクライアントで、そこまでのリソースが無い場合はどうするのか?会計人として最低限、ここまではやってほしいというラインを設定して行うのか?
難しいところです。
参考書を読むと。。。
巷に溢れている参考書を読むと、それはそれは原則的な事は丁寧に書いてあります。正直とても参考になります。さて、これらを実際に工場の現場に落とし込むのは容易ではないと、改めて実感しているところです。
工程別総合原価計算?等級別総合原価計算?連産品?等価係数?
あーもー頭い痛いけど、楽しいカモ。
【編集後記】
法人税基本通達 所得税基本通達 消費税法基本通達
なぜ、消費税だけ消費税基本通達ではなく、消費税法基本通達なんでしょうか?