公平な税負担とは?
国税庁の任務の1つに「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現」というものがあります。
今日は税理士会の租税教育研修会があり、この「公平」について改めて考えさせらる1日となりました。
目次
公平とは何か
税金における公平とは何か?
100点を取れる明確な回答はないのです。
100人いれば100人の公平という考え方が存在するはず。
租税を勉強したことのある人なら「垂直的公平」とか「水平的公平」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。
立場によって色々な公平があるのです。
先祖代々資産家である人、商売が上手くいって巨万の富を得た人、国や地域、思想などなど様々な立場の人がいて、共通する公平なんて存在しない。
今日の税理士会の研修会でもワークフローがありました。22名の税理士が参加していましたが、それぞれの公平があり、面白くもあり、難しくも感じました。
垂直的公平とは?
細かい事は抜きにして、簡単に説明すると「より多くの富を得ている人は多く納税し、富が少ない人は納税額も少なくなる。」という考え方。
所得税の累進課税などは、この垂直的公平の典型的な税体系と言えるでしょう。
しかし、富を得ている人から見れば、多くの税負担を強いられているわけで不公平であると感じるでしょう。
水平的公平とは?
細かい事は抜きにして、簡単に説明すると「みな一律に税を負担する」という考え方。
消費税などは富の差に関係なく経済行為に10%(軽減税率は8%)が課税されています。
しかし、富の少ない人からみれば、富の多い人と同じ税負担では不公平であると感じるでしょう。
まとめ
公平とか平等とか、永遠に答えのでない問題に直面している気がします。
この公平性(垂直的公平・水平的公平)を保つために多くの税目(約50種類)があるというのも現実です。
税制を考える上では政治家の色々な思惑があるかと思いますが、税に携わる職業人、税理士としては、集めた税の使い方を考えていただきたいものです。
TV報道で騒がれていますが、未来を担う子供たちの前で正々堂々と説明できるんですかね。
なんとなく、とても考えさせられる1日になりました。