企業版ふるさと納税を紐解く

なかなか定着しない「企業版ふるさと納税」という制度。

政府・与党は令和2年3月末の期限を5年間延長して控除倍増、手続きを緩和して企業が利用しやすい環境を整えるとして2020年度与党税制改正大綱に盛り込むというニュースがありました。

では現行の「企業版ふるさと納税」とは、どのようなものか解説します。

企業版ふるさと納税とは

企業版ふるさと納税は、国の認定を受けた県、市町村の地方創生に関する事業に寄付すると、寄付額の最大3割が法人税(国税)と法人住民税、法人事業税(いずれも地方税)から差し引かれる仕組みです。

企業が自治体に寄付した場合に約3割が損金算入される別の仕組みと合わせ、寄付額の約6割が軽減されるという制度です。

ちなみに、私が住む安曇野市でも「登山者誘客のための山岳環境整備事業」という地域再生計画が認定されていました。

企業版ふるさと納税のメリットは?

最大のメリットは寄付額の最大6割相当額の税制的控除が見込めるということです。

前述しましたが「法人税・法人住民税2割・法人事業税1割・損金算入3割」で6割の税制的控除が受けられます。

企業版ふるさと納税を利用して10万円を寄付すると4万円が企業負担になるということです。

企業版ふるさと納税のデメリットは?

どの県・市町村に寄付をしても良いというわけではなく、国の認定をうけた地方創生の事業に関する寄付になるので、寄付する先は確認が必要です

個人のふるさと納税を巡っては返礼品の議論がありますが、実のところ企業版ふるさと納税には返礼品はないのです。

寄付額の最大6割相当額の税制控除が受けられますが、そもそも法人が赤字の場合は税額控除分のメリットがなくなってしまいます。

また、個人版ふるさと納税は少額でも行えるの対し、企業版ふるさと納税の寄付金は最低額10万円となっていますので、キャッシュフロー的には緻密な計画が必要であるといえるでしょう。

企業版ふるさと納税をしない方がキャッシュが残るという場合もあります。

まとめ

今回のブログは令和元年11月26日現在の法令に基づき記載しています。

現状、企業版ふるさと納税を利用しても大きな節税効果は見込めないと思われます。

2020年度税制改正でどこまでこの制度を拡充させるのかはわかりませんが、注視していく必要があると思います。

【編集後記】

結局、WordPressのバージョンを元にもどしたら勝手にスクロール問題は解決しました。

ほんと、昨日はあせりました。

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