令和3年度税制改正に関する建議書
日本税理士会連合会は、令和2年6月11日に開催された第1回理事会において「令和3年度税制改正に関する建議書」及び「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う税制改正に関する建議書」を決定し、8月7日に、財務省、国税庁、総務省、中小企業庁などに提出しました。
目次
建議書とは?
建議書とは「 意見を申し立てること。 」
税制改正の要望ということです。
「事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等」の対象を拡大し、事業に係る適正対価 の必要経費算入を認めること。
以下、建議書の完全コピーです。
所得税法第56条に規定する「事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例」は、 シャウプ勧告により世帯単位課税を個人単位課税に変えたとき、「要領のよい納税者」に対する抜け道封じとして必要経費算入を制限すべく創設されたものである。
この規定の要件には、親 族が独立の事業者として、その事業の一環として当該事業者との取引に基づき役務を提供して対価の支払を受ける場合も含まれるとされている。
これに対し、所得税法第57条では「事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等」と して、一定の要件の下、青色事業専従者給与及び事業専従者控除の必要経費算入を認めているが、この特例の対象は専従者に対する給与に限定されている。
家族全体の協力の下で事業を営むのではなく、個人が独立して働く形態が多くなっている今 日の社会情勢を踏まえ、親族間の対価の支払についてはその経費性をより広く認めること、例えば所得税法57条から専従者要件をはずし、親族に対して支払った相当な対価は、その者が専 従者であるかどうかにかかわらず必要経費に算入すべきである。
法人税では、同族会社であっても親族に対する相当な対価の支払については損金算入が認められている。
法人・個人間の課税の公平・中立の観点からも、親族間における相当な対価の支払については、必要経費として認めるべきである。
ただし、恣意的な所得分散を防止するため、対価の授受を行う親族の双方が正規の簿記の原則に従った帳簿を備え付け、支払いの事実や適正な対価であることを明確にすること等の要件を付すことも検討すべきである。
実に、的を射ている意見だなと思います。
税法も時代に応じて変化していくべきであって、仮に「家族全体の協力の下で事業を営む」という事業形態があったとしても他の従業員同様の業務をしていたら白色申告者でも相当な対価は必要経費に算入されるべきだと思います。
まとめ
今回の建議書は23ページにわたる建議書になっています。
難しい専門家らしい要望がある一方、年少扶養の復活など納税者により近い税理士らしい要望等があり参考になりました。
【編集後記】
子どもが学校で使ということでIpadを購入しました。
自分の子供の頃と比べると、凄い時代になったなと感じます。