代物弁済と消費税の取扱い

~車を渡して借金を返済したら課税対象?~

企業活動において、借入金の返済手段として現金ではなく資産(たとえば車両や不動産)を引き渡すことがあります。このような取引は「代物弁済(だいぶつべんさい)」と呼ばれます。

今回は、代物弁済が行われた場合の消費税の取扱いについて、実務での留意点を3つに分けて解説します。

代物弁済とは?

代物弁済とは、債務者が本来の給付(例:金銭)に代えて、他の財産を引き渡すことにより債務を消滅させる契約です。
例えば、「会社が代表者からの借入金を返済するために、会社所有の車両を渡す」ようなケースが該当します。

民法の改正により、代物弁済は「諾成契約」とされ、契約が成立すれば、実際に財産が引き渡されたときに債務は消滅します。

消費税は課税対象になる

代物弁済は、消費税の世界では「資産の譲渡」として課税対象になります。
つまり、債務の返済手段として資産を引き渡しても、「売った」とみなされるため、消費税の申告・納税が必要になります。

これは、資産を売却して代金で借金を返済するのと、実態が変わらないためです。消費税法第2条でも、「代物弁済による資産の譲渡」も課税対象に含まれると明記されています。

課税標準は「時価」ではなく「債務の額」

代物弁済が課税対象になる場合、課税標準は「引き渡した資産の時価」ではなく、「弁済に充てられた債務の額」です。
たとえば、法人が代表者からの借入金100万円を返済するために車を渡した場合、その100万円が課税標準となり、これに対して消費税(10万円相当)が発生します。

代物弁済は形式的には「返済」ですが、税務上は「資産の譲渡」として扱われ、消費税の課税対象となります。特に法人が保有資産を使って借入金を精算する場合には、消費税の申告漏れに注意が必要です。

税務判断に迷った場合は、専門家への相談をおすすめします。

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