インボイス制度 口座振替・口座振込による家賃の支払い
目次
口座振替・口座振込による家賃の支払いも適格請求書の保存が必要
インボイス制度における「口座振替・口座振込による家賃の支払い」について整理していきましょう。
通常の取引では、不動産賃貸契約書を締結し、当該契約書に基づき家賃の決済が口座振替・口座振込によって行われます。したがって、取引の都度、請求書や領収証が交付されない取引になりますが仕入税額控除を受けるためには「原則、適格請求書の保存が必要」です。
考えられる対応方法
では、口座振替・口座振込による家賃の支払いにかかる適格請求書の保存するための方法を確認していきましょう。
まずは、適格請求書は、一定期間の取引をまとめて交付することもできますので、相手方(貸主)から一定期間の賃借料についての適格請求書の交付を受け、それを保存することによる対応があります。しかしこの方法だと貸し手は事務量の増加、借り手は書類の増加のデメリットしかありません。
もっと簡単な方法を考えましょう。
適格請求書の記載事項の一部(例えば、課税資産の譲渡等の年月日以外の事項)が記載された契約書とともに通帳(課税資産の譲渡等の年月日の事実を示すもの)を併せて保存することにより、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。 また、口座振込により家賃を支払う場合も、適格請求書の記載事項の一部が記載された契約書とともに、銀行が発行した振込金受取書を保存することにより、請求書等の保存があるものとして、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。とQ&Aには書いてあります。
さて、ここで1つ疑問があります。昨今、無通帳の口座が多く、私自身も通帳は保有しておりません。またクラウド会計を利用することで銀行の取引データは連動してきているのでデータそのものも保存していません。この場合の仕入税額控除の要件はどうなるのでしょうか?
税務署に確認してみた
税務署に確認してみたところ、電子データで電磁的取引をしたものは仕入税額控除の要件を満たすとの回答をいただきました。通帳と同じで支払った事実等が確認できるからOKなのだとか。
注意点
最後になりますが、注意点です。
不動産賃貸借契約書に登録番号等の適格請求書として必要な事項の記載が不足している場合には、別途、登録番号等の記載が不足していた事項の通知を受け、契約書とともに保存しておく必要があります。複数の事務所を契約している場合などは整理が必要になってきます。
【編集後記】
軽減・インボイスコールセンターに問い合わせをするのだけれど、やっぱり一般的な質問しか受け付けていないんですね。ちょっと踏み込んだ質問をすると「税務署に直接聞いてください」となります。それはそうか。間違ったこと言っても困るし責任もとれないし。。。