やっぱり変だよ 印紙税
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印紙税
当事務所のHPで何度か書いていますが、改めて印紙税の話を書きます。ちなみに私は印紙税廃止論者です。
さて印紙税とは何か。租税の1つであり、領収証や契約書に印紙を貼付することで租税を負担するものです。いわゆる文書課税と呼ばれるもので、文書に課税要件が記載されている場合には納税義務が生じます。まーこの文書に課税要件が記載されているか否かを判断するのが難しく納税者の混乱を招くのですが。。。
今回、なぜ再度このような記事を書いているかというと、娘の成人式の振袖姿の前撮り写真を撮影しに行ってきたのですが、その際の受領した「お買上伝票」に印紙が貼付されていました。聞くところによると会社の指導で「写真撮影は請負になるので印紙を貼付するように」とのことでした。
ここで具体的に文書を提示することは控えますが正直「ホントにこれ課税文書?」と疑問に思ってしまいました。私自身、税務署に勤務時代に印紙税の担当を数年間担当し、印紙税専門の調査も担当した経験からの感想です。
なぜ、印紙税の廃止を訴えるのか?
租税は公平であるべきと考えると、ここでいう公平とは垂直的公平、水平的公平がありますが、印紙税はそれらを満たすことがないからです。
元々、印紙税は物を買うとかという経済的に取引に租税負担を求め作成される文書を課税要件としています。昭和の時代であれば全ての取引が紙によって証明されていましが、令和の時代は電子の時代です。領収証や契約書の多くは電子によって完結します。つまり印紙税でいうところの課税文書が紙で作成されない時代に突入したのです。
同じ経済取引であったとしても関係書類を紙で作成するのか、電子データで作成するのかで租税負担が異なるというのは前述した公平性に欠けると考えます。特に中小企業においては電子化が遅れていて企業規模が小さくなるほど印紙税の負担が重くなる傾向にあります。
残念な事に印紙税廃止の声はあまりない。
インボイス制度や電子帳簿保存法ばかりに国民の目がいってしまい、ひょっとしたら1件1件は200円と少額な印紙税なので気にしないのか「印紙税廃止論」は拡散していきません。電子帳簿保存法が浸透すると印紙税の調査そのものも難しくなるでしょうね。。。
まとめ
古き良き時代の租税「印紙税」。租税収入額は多くはないものの歳入源を簡単に手放すとは思えない財務省。色んな思惑がありそうですが、国税OB税理士の独り言でした。
【編集後記】
振袖の前撮り写真、娘と2ショットを撮影しました。娘の成長に父は喜ぶのでした。