はずれ馬券を巡る税務について はずれ馬券は経費か?


年末の有馬記念は2番人気のリスグラシューが圧勝しました。
出走馬のうち11頭がG1レースでの勝利を経験したという豪華な顔ぶれの有馬記念でした。
ここ数年、はずれ馬券を巡る裁判続き国税敗訴という結果になっています。
今回は、そんなはずれ馬券を巡る税務について解説します。
ちなみに私が税務署の研修で受けた授業では、はずれ馬券は経費にならないと教えられてきました。
目次
払戻金の雑所得なのか?一時所得なのか?
所得税法上、その所得の性格によって所得を10種類に区分しています。
そして、この所得の区分により経費に認定基準がことなるという点で争いが起こるのです。
雑所得であれば、はずれ馬券の購入費用が経費になります。
一時所得であれば、はずれ馬券の購入費用は経費になりません。
一時所得とは?
一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得のいずれの所得にも該当しないもので、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであって、労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
例えば、懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金、生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金などが一時所得に該当します。
雑所得とは?
雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得をいいます。
一時所得と雑所得のメルクマールは?
国税庁は、いくつかの判決結果を受けて次のように通達を改正しました。
馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する。
このように通達を改正し、一定の判断基準を明らかにしました。
まとめ
年末に少しの夢を見ながら競馬観戦するのも、楽しいものです。
【編集後記】
静岡学園 優勝おめでとう!