
国税敗訴の記事を見かけました。
東京高裁の判決で国税側が敗訴しました。
目次
記事の内容
大手音楽ソフト会社「ユニバーサルミュージック」(東京)が、東京国税局から受けた約58億円の課税処分を取り消すよう求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は24日、処分を取り消した一審東京地裁判決を支持、国側の控訴を棄却した。
判決によると、同社は前身の会社などを買収する際、海外のグループ企業から約866億円を借り入れ、支払った利息を損金として計上した。しかし国税局は、法人税負担を不当に減らすものと判断、5年間で計約181億円の申告漏れを指摘した。
これに対し、高裁の秋吉仁美裁判長は、「同族会社の不合理な租税回避行為とは言えない」と述べ、国側の主張を退けた。(出典:東京新聞)
いくつかの新聞社が記事にしておりましたが、同様な内容の記事でこれ以上の詳細はわかりません。
この記事から読み解くことにします。
同族会社の不合理な租税回避行為
ポイントは裁判長の「 同族会社の不合理な租税回避行為 」という言葉です。
法人税法第132条に「同族会社等の行為又は計算の否認」という規定があります。
法人税法第132条
税務署長は、次に掲げる法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。
簡単に説明すると、諸々の法律の何ら抵触するものはないけれど、この取引を認めたら法人税が不当に減少させる結果になるよね。
だから課税します。
というものです。
納税者側からしてみれば「えー」といった感じです。
国税側は不合理な経済活動だと課税したけれど、裁判所は不合理な租税回避行為ではないと判断したということです。
ハードルが高い課税方法
国税局で仕事していた時に、1度だけでこの条文で課税した事案があります。
かなりハードルが高いです。
会社の行為が不合理な経済活動だと国税側が立証しなければならないからです。
何が合理的な経済活動で、何が不合理な経済活動なのか?
そう遠くない日に、税理士の業界紙などで事案の詳細がわかると思うので楽しみです。
実務では、全く役に立たないと思うけど。
【編集後記】
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