部活動遠征の悲劇

「万が一」が現実になった時に考えること

GW中、北越高等学校のソフトテニス部が遠征時に利用していたマイクロバスが高速道路上で事故を起こし、生徒が一人亡くなるという痛ましい事故がありました。

ニュースを見ながら、私自身がサッカー指導者をしていた頃のことを思い出しました。
子供たちにスポーツを教えるというのは、本当に多くの責任を伴うものです。技術指導だけではなく、「安全」をどう守るかという問題が常につきまといます。


遠征・送迎には常にリスクがある

私が最初に関わっていたチームでは、近場の試合は保護者が交代で子供たちを乗せ合い、試合会場まで移動していました。

当時から感じていたのは、

「よその子を車に乗せる怖さ」

でした。

もちろん、善意で成り立っている仕組みですし、地方ではそれが現実的な運営方法でもあります。ただ、万が一事故が起きたらどうなるのか――その不安は常にありました。

幸い、そのチームでは過去も含め大きな事故はなく、私が在籍していた期間も何事もありませんでした。しかし、それは“たまたま無事だった”だけなのかもしれません。

事故は、気を付けていても起こる時は起こる。
だからこそ、「今まで大丈夫だった」は安全の根拠にはならないのだと思います。

費用よりも優先しなければならないもの

2つ目に関わったチームでは、近場の試合は基本的に現地集合としていました。

ただ、そこで出てくるのが「送迎できない家庭」の問題です。仕事の都合や家庭環境によって、どうしても対応できないケースがあります。

非常に難しい問題でしたが、その部分については各家庭で対応していただき、チームとしては極力関与しない形を取っていました。

一方、遠方遠征については、必ずバス会社やタクシー会社へ依頼し、運転手付きのマイクロバスを利用していました。当然、費用はかかります。

年によっては、

「保護者でマイクロバスを運転できますよ」

と申し出てくださる方もいました。非常にありがたい話ですし、費用面を考えれば助かる部分もありました。

それでも、私たちはお断りしていました。

理由は単純です。

もし事故が起きた時、保護者個人に責任を背負わせることになるからです。

当時は、「そこまでしなくても」「お金がもったいない」という反発も一部ありました。しかし、今回の事故を見ていると、あの判断は間違っていなかったのかなと改めて感じています。

指導者が背負う“見えない責任”

スポーツには、どうしてもリスクがあります。

今回のような移動中の事故だけではありません。

夏場の落雷事故。
熱中症。
サッカーであれば接触によるケガ。
頭部外傷や骨折なども普通に起こり得ます。

指導者は、「技術を教える人」である前に、「子供を預かる人」でもあります。

私自身、17年〜18年ほどサッカー指導に関わってきましたが、大きな事故が一度もなかったことは、本当に運が良かった部分もあると思っています。

もちろん、安全対策はしていました。
ですが、それでも事故は100%防げるものではありません。

だからこそ、指導者側も、保護者側も、「うちは大丈夫」という感覚を持たないことが大切なのだと思います。

子供たちが安心してスポーツに打ち込める環境。
そして、指導者や保護者が過度なリスクを背負わずに済む体制。

理想論だけでは運営できない現実もありますが、それでも今回のような悲しい事故が二度と起きないことを願うばかりです。

【編集後記】

サッカーの指導者を辞めて1か月と少し。思いのほか充実した週末を過ごしています。

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