資本的支出とは何か?

資本的支出とは何か?

税務調査の場面で「その修繕費は資本的支出に該当しますね」という言葉を耳にします。

では、この資本的支出とは一体どういったものなのでしょうか?

法人税法基本通達7-8-1以降に詳しく掲載されています。

  1. 資本的支出の例示
  2. 修繕費に含まれる費用
  3. 少額又は周期の短い費用の損金算入
  4. 形式基準による修繕費の判定
  5. 資本的支出と修繕費の区分特例
  6. 災害の場合の資本的支出と修繕費の区分の特例
  7. 機能復旧補償金による固定資産の取得又は改良
  8. 地盤沈下による防潮堤、防波堤等の積上げ費
  9. 耐用年数を経過した資産についてした修理、改良等
  10. 損壊した賃借資産等に係る補修費

法人税基本通達7-8-1 資本的支出の例示

法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となる

固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出

とても難しい表現です。

更に具体的な例示もあげています。

  1. 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額
  2. 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額
  3. 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額

法人税基本通達7-8-3 少額又は周期の短い費用の損金算入

一の計画に基づき同一の固定資産について行う修理、改良等が次のいずれかに該当する場合には、その修理、改良等のために要した費用の額については、7-8-1にかかわらず、修繕費として損金経理をすることができるものとする。
(1) その一の修理、改良等のために要した費用の額が20万円に満たない場合

(2) その修理、改良等がおおむね3年以内の期間を周期として行われることが既往の実績その他の事情からみて明らかである場合

法人税基本通達7-8-4 形式基準による修繕費の判定

一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理をすることができるものとする。

(1) その金額が60万円に満たない場合

(2) その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合

まとめ

この3つの通達が調査の現場で良く使われる通達です。

固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増す・・・修繕すれば、それは固定資産の価値も高まるかもしれないし、耐久性も増すでしょ…普通。

実際のところ、明確に区分できないことが多く、7-8-3を使ったりして損金の額に算入していることが多いと思います。

高額な修繕をした場合には、税理士や税務署に事前に相談していただくことをお勧めします。

【編集後記】

平成の時代に測量して設置した境界標が30㎝以上ズレている。

そんな事が実際に起きてしまった。

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