税務調査官の日中
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前回の「税務調査官の朝」の続編です。
税務調査官が調査先に到着してからの物語です(^^♪
目次
税務調査スタート
通常、調査先には10時頃に到着します。
「不安」と「よし!やるか!」という気持ち、半々くらいです。
納税者の方もどんな調査官が来るのか不安でいっぱいだと思います。
納税者、税理士、調査官と三者揃ったところで税務調査スタートです。
雑談からスタートする税務調査
調査先について、すぐに「では、総勘定元帳を見せてください」といった調査にはなりません。
まずは、他愛もない世間話から入ります。
どの位の時間を世間話をするかは納税者や調査担当者によって違いますが、私の場合は午前中くらいは世間話をしています。
「早く調査の仕事しろよ!」
と、お叱りの声が聞こえてきそうですが、実はこの世間話がとても重要なんです。
色んな話を聞きながら、納税者、社長などの人となりを観察しています。
家族構成だったり、趣味だったり、几帳面なのか、大雑把なのか、税務経理に精通しているのか?
上昇志向があるのか?保守的なのか?
10時からの世間話がその後調査に影響を及ぼすことも少なくありません。
税務調査官の昼食
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基本的には、12時から13時は昼食の時間です。
税務調査官も緊張する初日を過ごしていますので、ここでブレイクタイムです。
私が税務の職場に入った頃は、割り勘で社長と税理士と3人で昼食なんてことも結構ありました。
今は、もうありませんが。
昼食の時間の過ごし方も人それぞれです。
私の場合は、午前中の世間話から得た情報と事前に確認していた情報を頭の中で整理しながら、午後の3時間・・・13時から16時までの調査展開をマネジメントします。
お昼くらいゆっくりと休みたいところですが、この時間で情報の整理をしないと効率的に調査ができません。
頭の中はフル回転です。
税務調査官の午後
いよいよ税務調査を本格的にスタートします。
まずは、事業の概況を聴取します。
「お金の流れ」「物の流れ」「書類の流れ」
この3つを丁寧に聴取し、世間話から得た情報、事前に確認した情報、長年の経験の勘から調査のポイント絞り込みます。
どのように絞り込むか・・・それは企業秘密です。
このあたりを若手調査官に伝えていくのが難しいところです。
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マニュアルにできない部分、職人みたいな感じです。
話はそれますが、国税局勤務時代の税務調査で 「お金の流れ」「物の流れ」「書類の流れ」 を確認するだけで1週間を費やしたことがありました。
この事案は、かなり長い時間をかけて調査したことで記憶に残っています。
帳簿調査のスタート
いよいよ本格的な税務調査のスタートです。
総勘定元帳、請求書、領収証、注文書、注文請書、タイムカード、工事台帳、代表者の手帳、机の中、パソコンの中のデータ、メール、車のダッシュボード、トランクetc.
ありとあらゆるものを確認しながら調査を進めます。
その中から、不正の端緒を見つけるのです。
不正を発見された納税者から
「なんでわかったのですか?」
と聞かれることがあります。
答えは1つです。
「そこが光って見えたから」
そこには、本当に些細なエラーが光っているからです。
まとめ
税務調査では、納税者の些細な言動がきっかけで不正を把握することがあります。
税務調査で不安にならないよう普段から正しい処理をしたいものです。
【編集後記】
今日の午後、新規のお客様と打ち合わせがあります。
どんな方なのか、今からお会いするのが楽しみです。