税務の世界で嫌いな単語 ベスト3

難解奇読な税法

税務の世界に限らず、法律というのはおよそ文章が難しく一般人には理解できないものである。税務の世界で30年近く税法を読んできた私でさえ、未だ抵抗があるのだから一般の納税者には難しいものである。

税法における「予測可能性」とは、納税者や税務当局が税金に関する義務、権利、手続き、結果などを事前に明確に予測できるかどうかを指すのであるが、難解奇読な税法では無理がある。

そんな税務の世界で私が嫌いな単語ベスト3を紹介しよう!!

1 社会通念上

一般的に認められている価値観や常識、社会的な規範のことを指すようであるが、各種業界で認めらている慣習や、個々人の価値観などで課税の範囲が左右されるのはいかがなものかと。税務署の調査官と百戦錬磨の企業経営者の価値観など全く違うから、税務調査の場面では苦労するのである。

2 合理的按分

例えば、個人事業主が車を利用する際に、その車をビジネスでもプライベートでも使用することあがある。では、この車にかかるであろうガソリン代、車検代、修理費、自動車保険等々はどうするのか?税務当局は「合理的に按分せよ」という結論に帰着する。

が、しかし、決して何をもって合理的な按分なのか示さない。時間なのか、距離なのか。納税者側はいちいち何時間ビジネスで使った、何キロプライベートで使ったなどとは記録しない。

なから(信州の方言で「なから」は「概ね」という意味)、7対3でビジネスずら~(信州の方言で「ずら」は「でしょう」という意味)となる。何が合理的な按分なのかさっぱり理解できないが、何もお咎めがない。

お咎めがないのは、税務当局も何が合理的なのか立証できないからである。

3 総合勘案

総合勘案」と書いて「税務当局との話し合い」と読みます。税務判断を行う際に、単一の要素だけでなく、さまざまな要素を総合的に考え判断することを指すのであるが、結局のところ、事実認定を確認し税法や通達に当てはめた結果、上手く判断できない事象のことを指すのではと思っている。

まとめ

先に述べた「予測可能性」納税者側が税金に関する結果を事前に明確に予測できること。社旗通念上、合理的按分、総合的勘案この3つを持ち出されたら「予測可能性」って無意味なってしまうから嫌いである。

税務調査の場面においては良くある話なのだが。

【編集後記】

私の座右の銘は「週休七日

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