年末調整を廃止すると税務署はパンクするのか?

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年末調整を廃止すると税務署はパンクするのか?
河野太郎氏の発言で税理士界隈のみならず、税務署ネタでも盛り上がっています。
「年末調整を廃止して、全ての給与所得者が確定申告をする。」
どこの誰だか分からないが、税務署の現役職員もパンクするという発言をした記事を読みました。それはそうでしょ、何故なら「あなたは税務署の常識の範囲でしか考えられないから」
生意気を言うようで申し訳ないのですが、税務署の中の異様な常識も、税務署を辞職して5年経過し世間一般的な常識も知っている私から見れば十分対応可能であると考えます。
無駄な事が多すぎる
国家公務員全体に言える事なのか?税務行政だけなのか分かりませんが兎に角無駄なことが多すぎる。そして極端に変化することを恐れています。
「前年踏襲」が好き。今まであった仕事を無くす事には抵抗がある。その仕事にどれだけの価値があるのかという評価見直しが行われない。
一方で、新しく署長になった幹部は、自分の色を出したく新しい施策に取り組もうとする。
これで仕事は増えていく一方。
限られた時間で、限られた労働力で最大限の効果を発揮しよう!もっと効率的に仕事をしようとしないから。
ただ、誤解のないように書いておきたいのだが、一介の税務職員が声をあげたところで何1つ変わりません。
声をあげても何1つ変わらない。
それでも私は声をあげたことがあります。
国税局勤務時代に某会議を裏方をしていたのですが、超絶無駄の会議がありました。
国税局の課税、徴収部門の幹部の多くが集まり、そしてその部下が参加する会議がありました。ただ、この会議、何かを議論するのではなくただの報告会のようなもの。個々で資料を読めばいい話。
少しだけ議論のようなものがあるが、事前にヒアリングして誰が発言して、誰が質問して回答するまで台本を作成するそ、その準備と資料作成が私の仕事。
この会議に何の意味があるのか?ここでは書けないメンツとプライドが会議を開催する理由。
ある日、私はこの会議に要する準備の時間、会議に参加する職員の時間、それぞれの時間に単価を掛けて・・・ちなみに会議は1時間30分から2時間位です・・・会議に要するコストを算出し、そのコストに見合うだけの効果が得られる会議なのか?
というA41枚の文書を作成し上司に渡したことがありました。上司の回答は・・・
「船着の思っていることは正しい。ただ、会議はやめられない」
でした。私の上司も中間管理職、一介の税務職員だということです。
税務署には無駄がたくさんある。
実は税務署の仕事には無駄たくさんあります。税務署を辞め外の世界を知ってから更にその考えは強くなりました。本当に無駄な事が多いです。
利益を追求する民間企業ではないので一概にコスパやタイパという言葉が当てはまりませんが、それでも無駄が多すぎる。
見直しができる部分はあるし、ITの活用もまだまだ。
これらを本気で考えれば年末調整を廃止し納税者全員が確定申告を行っても十分対応が可能だと思います。
【編集後記】
税務署の常識は非常識