小規模の農家の現実

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1俵15,000円という現実
船着家は兼業の小規模稲作農家です。
私たちが食べる米は私たちが育てているので、有難いことに昨年からのコメ価格高騰というのは無縁です。
自家消費以外に若干ではあるがJAに出荷もしています。昨年だと14俵、㌔換算すると840㌔の出荷しました。
では、現実問題として我が家がいくらでJAに出荷しているかというと1俵15,000円ほど、250円/㎏です。14俵出荷していますので210,000円の収入となります。諸経費を支払うと赤字です。家族で作業をしますので諸経費に人件費相当額は含めています。
作付け面積を増やせば増やすほど赤字が増えるという状況です。
農家が農家であり続けるために
令和5年の5㎏のコメの平均小売価格は2,000円を少し割り込む位でした。令和6年はこれが4,000円近くに高騰しその状況は今も変わりません。
250円/㎏で出荷した米は、店頭では800円/㎏になっているのです。
日本の市場では「生産者」→「農協」→「卸売業者」→「小売業者」→「消費者」という物流がほとんどです。これは従来からのシステムなので良いとか悪いとか言うつもりはありません。ただ、コメ価格の高騰の恩恵は生産者には届いていないという現状を知ってほしいのです。
例えば、「生産者」→「消費者」という物流を確保できるのであれば、生産者の販売価格を500円/㎏という倍の価格に設定しても「消費者」は現在の800円/㎏よりも300円/㎏安く購入できるという状況を生みだせます。
単純計算して210,000円の収入が420,000円になる計算です。経費は変わりませんので純粋に手取りが増えるということになります。
農協という巨大組織
農協という巨大組織は戦後の日本の農業を支えてきたことに間違いはありません。ですが、令和の時代においては時代遅れの組織になりつつあります。
「そうは言っても農協に出荷しなきゃ」
という概念が私より上の世代にはあります。
今年から農協への出荷量を減らしていきます。少しでも手取りを増やすために消費者に対し直接販売をして農家の収入を増やすことを考えています。
それが農家が農家であり続けるために残された唯一の方法だと思うから。
【編集後記】
暖かくなってきたので自電車🚴で出勤しました。