基礎控除が大混乱

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政治が大混乱
2月の終わりになっても税制改正の内容が決まらないのはいつ以来だろうか。自民党が少数与党になったのが要因なのだが、ネットで調べると1994年の羽田内閣以来だとか。
1994年と言えば私が税務署に配属された年で、予算案が可決されないと我々の給料が出るとか、出ないとか騒いでいたのを思い出しました。
30年ぶりとか、時の流れを感じます。
103万円の壁が大混乱を招く
自民党は少数与党になったから、政治における議論が活発になりました。この30年間は与党の税制調査会が提案した税制改正大綱がそのまま国会で可決されるものだと。
今年は違います。
各党がそれぞれの公約を掲げ、その公約を実行すべく様々な交渉をする。あっちとくっ付いてたかと思えば、こっちとくっ付いてみたり。
税制改正も自民党と国民民主党、自民党と立憲民主党、自民党と日本維新の会とか。
特に国民民主党が公約に掲げた103万円の壁を巡る議論は大混乱を招いています。
そもそも30年前に103万円に設定されたのですが、その根拠は、当時の最低賃金が611円、1日7時間労働で月20日間、12か月で103万円で設定されたそうです。
知らんかった。税務の職場に長年いたのに制度の趣旨を知らんかった。
最低賃金の611円で1年間働いたら103万円、この103万円に課税したら生活できないでしょ、というラインが103万円。
さて、現在の最低賃金は1,055円なので、このロジックで計算すると国民民主党が掲げる178万円になるそうです。
元々の立法趣旨から考えると178万円が妥当である。
財源不足を理由に拒む自民党
国民民主党が掲げる178万円と実現すると7.6兆円の財源が不足することになります。
この財源が不足するというのは事実なんだと思う。これを理由に自民党は国民民主党の178万円を拒んでいる状況です。
さて、ここからは考え方の違いです。
政府の政策を実施するためには①ほかの財源を確保する②歳出(支出)を減らす③178万円にすることで別の税収が増加する等々の意見が出ています。
私に言わせれば何もこれらの効果1つの絞る必要はなく、これら3つの方法で総合的にカバーすれば良い話であって、ちょっと違うかもしれないけど、令和6年の定額減税なんか3兆円規模の減税効果があったのに財源は税収増加分を充てるというロジックだったはず。
政治家に一般的な感覚を求めるのは無理なんだろうなと。
キャベツが1000円超える、こんな状況が一般国民のほとんどだと気が付いていないんだと。
今年の年末調整事務が怖い
まだ政治的な決着がついていないので何とも言えないですが、段階的に控除額が変わるとか、年末調整の事務担当者が混乱する姿が目に浮かびます。
そして税理士事務所も混乱するのだろうと、今から気が重いです、、、。
【編集後記】
コーヒーインストラクター3級のWeb講習を受講しました。このままの勢いで2級を受講しようと思ったのですが、春の分は申し込み期限が過ぎていました。秋の受講を目指します。