住宅ローン控除における建物取得価額の留意点


念願のマイホームの取得。
ハウスメーカーや金融機関から「住宅借入金等特別控除」いわゆる住宅ローン控除の説明を受けた方も多いと思います。
建物の設計料や外構工事、登記手数料など夢のマイホーム取得のためのかかった費用の内、どこまで住宅ローン控除の対象になるのか?
ということで・・・
今回は住宅ローン控除において失敗しないため「建物の取得等の対価の額」について解説します。
目次
住宅ローン控除の概要
住宅ローン特別控除とは、住宅ローン等を利用して自己の居住用家屋とその敷地(マイホーム)を新築、購入等をした場合において、一定の要件に該当すれば、一定額を居住年以後の各年分の所得税額から控除できる制度です。
所得税額から控除される住宅ローン特別控除額は、原則、家屋の新築、購入、増改築等と、これらとともにするその家屋の敷地の取得に係る借入金等の年末残高の合計額等を基に計算をします。
ただし、その借入金等の額がマイホームの取得等の対価の額を超える場合は、マイホームの取得等の対価の額が限度とされます。
したがって、住宅ローン特別控除額の計算にあたっては、「マイホームの取得等の対価の額」 に含まれる金額の把握が重要です。
外構工事は取得対価の額に含まれるのか
【結論】
家屋と併せて同一の者から取得する門や塀等で、その取得等の対価の額が僅少と認められる場合には、その門や塀等の取得等の対価の額を家屋の取得等の対価の額に含めて差し支えありません。
原則は、門、塀等の構築物、電気器具、家具セット等の器具、備品又は車庫等の建物(以下「構築物等」といいます。)の取得等の対価の額は含まれません。
しかし、家屋と併せて同一の者から取得する構築物等については実務的にその区分計算が困難であることや、それを厳密に区分することは取引の実情にそわないこととなる場合が想定されるため、家屋と併せて同一の者から取得する構築物等で、その取得等の対価の額が僅少と認められる場合には、その構築物等の取得等の対価の額を家屋の取得等の対価の額に含めて差し支えないこととされています。
僅少と認められる場合って・・・?
家屋そのものの取得等の対価の額の多寡にもよるので一概にはいえないものの、通常、門、塀等の取得等の対価の額が、家屋そのものの取得等の対価の額と門、塀等の取得等の対価の額との合計額の10%に満たないといったような場合には、これに該当すると考えられます。
判断基準は10%といったところでしょうか。
11%だから即座にダメということでもないと思いますが・・・。
その他の費用は
①売買契約書に貼付した印紙
②不動産仲介手数料
③不動産取得税・登録免許税
住宅用家屋の取得に要した費用ですが、新築等の対価又は増改築等の費用に充てられたものとはいえないので取得価格に含まれません。
④建築業者以外の建築士に支払った家屋の設計料
家屋の新築等又は増改築等をするために直接必要なものであり、建物本体価格を構成するものであることから、新築等の対価又は増改築等の費用に充てられたものとして取得価格に含めることができます。
⑤住宅用家具と一体として取得した電気設備等の付属設備の取得対価
本来住宅用家屋の新築等の対価の額とはいえないものですが、その取得対価は住宅用家屋の新築の工事の請負代金の額又は売買代金の額に含まれており区分が困難であることから新築等の対価に充てられたものとして取得価格に含めることができます。
まとめ
おそらく一生に1回しかない夢のマイホームの取得。
返してもらえる税金はしっかり返してもらいましょう。