また給付金?——選挙と財源の不思議

選挙の時期が近づくと、毎回のように給付金の話が持ち上がります。昨年は定額減税という謎の制度が出来たりもしました。今回も自民党から一人あたり数万円の給付金案が浮上しています。また、「2040年に所得5割増」などという大胆な公約も新聞をにぎわせています。しかし、こうした動きに対して「またか」という違和感を持つのは、私だけではないはずです。減税は「財源がない」と言って渋るのに、給付金はあっさりと出てくる。不思議に感じる背景について、少し整理して考えてみました。
目次
給付金と減税、どちらが有効なのか?
給付金は「すぐ渡せるお金」で、困っている人に直接届く一方で、一時的な効果にとどまりがちです。対して減税は、中長期的な景気刺激が期待されるものの、恩恵が高所得者に偏りやすいという側面もあります。どちらにも一長一短があり、重要なのは目的とタイミングに応じて使い分けること。ただ、選挙前になると急に給付金の話が出てくるのは、政策ではなく選挙対策では?と思ってしまいます。
「財源がない」のに給付できる不思議
例えば、日本の人口を約1億2,334万人とすると、一人3万円を配れば3.7兆円の財源が必要です。それが可能なのに、なぜ減税となると「財源がない」と言われるのか。この矛盾を説明できる政治家はどれだけいるでしょうか。もちろん、減税は恒久的な歳入減になるため慎重になるのは分かりますが、それならなぜ一時的とはいえ兆単位の支出がすんなり決まるのか。国民として納得できる説明が求められます。
税金の使い道にこそ、納得が必要
減税でも給付金でも、どちらも元は国民の税金です。重要なのは、その使い道が国民にとって納得できるものであるかどうか。誰もが満足する100点満点の政策はあり得ませんが、多くの人が「それなら仕方ない」と思える透明性と説明責任が必要です。「所得5割増」のような大きな目標も、具体的な道筋がなければ絵に描いた餅。15年先何て考えられない、今が大変なのにと思いますが、その一歩として、政治に対して私たちが声を上げ、疑問を持ち続けることが大切だと思います。
次の選挙どうなるんでしょうかね?
【編集後記】
昨日、部活動の地域移行の関係で中学校の校長先生と面談する機会をいただきました。子どもの立場、保護者の立場、教員の立場、地方公共団体の立場、そして私たち指導者の立場。それぞれ考え方があり難しい問題だと改めて認識した面談でした。