免税事業者との取引に関する対応のアンケート結果からの考察

税務通信3968号より引用

意外な結果

全体の分母数が少ないこととと、アンケート対象者の企業規模が不明なのですが「条件を変えずに取引を継続」が半数近いことのに驚きました。個人的にはもっと「課税事業者になるよう提案」「関係法令を踏まえ。これまでの取引価格を変更できないか検討」が多いと予想していました。

というか、当事務所のクライアントでは「課税事業者になるよう提案」「関係法令を踏まえ。これまでの取引価格を変更できないか検討」が多いです。 クライアントに消費税の仕組みを説明したり、インボイスの制度を説明したり、下請けの免税事業者の事を考えたりして一緒に考えると
課税事業者になるよう提案」「関係法令を踏まえ。これまでの取引価格を変更できないか検討」という結論に落ち着きます。

ただ、「免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」にもあるように、一方的な価格変更の通知などは「独禁法・下請法で問題なるおそれがある行為」としています。

以下、抜粋です。

Q7 仕入先である免税事業者との取引について、インボイス制度の実施を契機として取引条件を見直すことを検討していますが、独占禁止法などの上ではどのような行為が問題となりますか。
A 事業者がどのような条件で取引するかについては、基本的に、取引当事者間の自主的な判断に委ねられるものですが、免税事業者等の小規模事業者は、売上先の事業者との間で取引条件について情報量や交渉力の面で格差があり、取引条件が一方的に不利になりやすい場合も想定されます。
 自己の取引上の地位が相手方に優越している一方の当事者が、取引の相手方に対し、その地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることは、優越的地位の濫用として、独占禁止法上問題となるおそれがあります。
 仕入先である免税事業者との取引について、インボイス制度の実施を契機として取引条件を見直すことそれ自体が、直ちに問題となるものではありませんが、見直しに当たっては、「優越的地位の濫用」に該当する行為を行わないよう注意が必要です。
1 取引対価の引下げ

 取引上優越した地位にある事業者(買手)が、インボイス制度の実施後の免税事業者との取引において、仕入税額控除ができないことを理由に、免税事業者に対して取引価格の引下げを要請し、取引価格の再交渉において、仕入税額控除が制限される分について、免税事業者の仕入れや諸経費の支払いに係る消費税の負担をも考慮した上で、双方納得の上で取引価格を設定すれば、結果的に取引価格が引き下げられたとしても、独占禁止法上問題となるものではありません。
 しかし、再交渉が形式的なものにすぎず、仕入側の事業者(買手)の都合のみで著しく低い価格を設定し、免税事業者が負担していた消費税額も払えないような価格を設定した場合には、優越的地位の濫用として、独占禁止法上問題となります。
 また、取引上優越した地位にある事業者(買手)からの要請に応じて仕入先が免税事業者から課税事業者となった場合であって、その際、仕入先が納税義務を負うこととなる消費税分を勘案した取引価格の交渉が形式的なものにすぎず、著しく低い取引価格を設定した場合についても同様です。

インボイス制度の理解度を高める必要がある。

税理士はクライアントに対しインボイス制度の概要を説明をすることが可能です。クライアントはその内容を理解した上で、取引先に対して説明をする必要があります。

BtoBで双方が課税事業者の場合や、相手方に顧問税理士がいる場合はスムーズに話が進むと思うのですが、外注先が個人事業主やフリーランスの方で消費税の課税事業者ではない場合、この場合は丁寧な説明が必要になるかと思います。

仮に免税事業者から課税事業者になったとしても消費税の負担も増えますし、また税負担も発生します。これらをクライアント側が説明する必要があります。税理士がこれだけ苦労しているのにクライアントが説明できるのかなという不安しかありません。

価格交渉は必要だと考える。

人それぞれ考え方はありますが、インボイス制度導入にあたって免税事業者であることを継続する場合は、改めて価格交渉が必要だと考えます。

例えば、取引価格を維持した場合、インボイス制度導入前は【本体価格10,000円 消費税1,000円 合計11,000円】として取引していたものが、導入後は【本体価格11,000円】となり本体価格が10%UPすることになります。これってやっぱり変だと思います。

逆に導入後を【本体価格10,000円】としてなら、下請業者が支払う消費税分のコストがカバーできなくなり下請業者は困ってしまいます。

故に100-0ではなく、双方でよく協議して適正な価格を設定する必要があります。

免税事業者の士業はどうするのかな?

士業に限らず、月額顧問報酬〇〇円(税別)ってしていたら、インボイス制度導入したら月額〇〇円しかもらえないんだと思う。これで税込金額請求したら、クレーム入りそう。

まとめ

適格請求書のシステムの準備も重要だけど、取引先との関係性もとても重要になりそうなインボイス制度です。

【編集後記】

訳あって高カカオチョコレート🍫を食べてみようと思います。チョコレートあんまり好きじゃなんだけどね。

コメント