みなし規定とは?みなし役員を解説します。

税法を読み解く中で、実は「みなし規定」というのがあります。

この言葉、辞書を引くと

みなし規定

ある特定の事実が認められる場合に本質的には性質の異なる他の法律効果と同一の法律効果を認めることである。日本法の法文では一般に「 – とみなす(看做す)」という表現が用いられ、これらの規定は「みなし規定」と呼ばれる。推定とは異なり、擬制は反対事実の主張を許さない。

この「みなし」とか「みなす」という言葉が実に多く税法に登場してくるのです。

法人税法だけみても「みなし」は125回、「みなす」は89回も登場してきます。

正直、全部は把握しきれません。しかし、ここが見落としがちで確定申告書を提出するうえで誤りが多かったりするところなのです。

そこで、今回は法人税法におけるみなし規定の中から「みなし役員」について解説していきたと思います。

役員とは

通常、法人の役員といえば「取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人」など指し、法務局で登記されている人が役員と呼ばれています。

これは、会社法に規定されているものです。

みなし役員とは

上述した役員のほか、法人税法上の役員は、さらに広い範囲で役員として規定しています。この規定をしっかり理解していないと役員に対する様々な法律適用を誤ることになるのです。

では、どのような人が法人税法上の役員に該当するのかを解説します。

法人税法上の役員は大きく分けて2つに分けれます。

1つ目は「法人の使用人以外の者で、その法人経営に従事している人

2つ目は「同族会社の使用人のうち、一定数の株式を所有していて、その会社の経営に従事しているもの」(詳細は国税HP「No.5200 役員の範囲」を参照してください。

いずれの場合も「経営に従事している」という言葉が出てきます。

経営に従事しているとは?

「経営に従事している」という言葉は、法人税法上明確な定義はされていません。

したがって、税務調査において度々争点になる場面です。

一般的には

その者が、「法人の経営方針や人事・資金・技術・販売等に関する重要な経営上の決定事項にどれほど関与しているか」を総合的に判定することになるかと思います。

特に、家族経営の法人などは注意が必要です。法人の経営法人を家族会議で決めてたりすると経営に従事しているとみられることが多いようです。

税務署は総合的に判断して役員としてみたいと思うし、納税者、税理士は総合的に判断して役員には該当しないとみる場面です。

総合的判断という言葉、曖昧すぎます。

みなし役員になると何が問題なの?

みなし役員になること、それ自体は何ら問題がありません。

法人税法上、役員に該当すると様々な規制があります。

例えば、その役員に支払う報酬は、役員報酬に該当しますので定期同額給与を求められます。また事前に届け出た賞与以外の賞与を支給した場合、税務上損金とは認められなくなります。

役員でなければ何ら問題にならない場合でも、役員だと問題なるケースがある。

したがって、みなし役員に該当するか否かで随分違うのです。税務署の処分が不服であるとして国税不服審判所に訴えた事例もあるくらい微妙な部分なのです。

まとめ

みなし役員に該当するか否かは、納税者で判断することは困難な案件です。

税理士がクライアントから株主構成、経営判断の状況を聴取したうえでしっかりと判断したいものです。

ちなみに、みなし役員に該当するか否かで弁護士と勝負したことがありました。どこが争点になったかは言えませんが、完勝でした(‘ω’)ノ

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